第72回|話し合う意味がないテーマについて話し合うな Podcast Por  arte de portada

第72回|話し合う意味がないテーマについて話し合うな

第72回|話し合う意味がないテーマについて話し合うな

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合宿で収録した音源の1本目です。今回は産業保健職の役割について掘り下げました。

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■議論の概要

  • 医療職、特に産業保健職は従業員との対話を重視する傾向があるが、その中で本来話し合うべきではないテーマ(主に労働条件や配置転換などに関する従業員の希望)を取り上げてしまうことがある。
  • 社長や経営者には従業員の希望を聞いて実現したり、配置転換を命じたりする権限がある。しかし、産業医や産業保健職にはそのような権限がない。
  • 産業保健職が権限なく従業員の希望を聞くことは、叶えられない期待(誤解に基づく期待)を与えてしまう可能性がある。これは、医療契約のように「あなたの望みを叶えるために努力します」と約束しているかのように聞こえてしまうため問題となる。
  • 医療職は情報が多いほど良いと考えがちで、意図せずとも希望を聞き出してしまう傾向がある。従業員側も、産業保健職になら話しやすい、希望が叶うかもしれないという期待を抱きやすい。
  • 多くのこじれた事例の根源には、本来話し合うべきでないテーマを話し合い、従業員に誤解や過度な期待を与えてしまうことがある。従業員が自分の希望を検討に値する内容だと「昇格」させてしまう側面もある。
  • 産業保健職が話を聞く場面の役割や位置づけが不明確であることが、この問題の一因である。会社側が役割や制約を明確に示せていない(いわゆる丸投げ)ことも問題。
  • 臨床医療と産業保健の立場の違い:
  • 臨床医療は「ネガティブリスト」的:患者のためにほとんど何でもやってよく、やってはいけないことが限定されている。
  • 産業保健は「ポジティブリスト」的:職場において、やっていいことが極めて限られている。労働者と会社の間の約束の範囲内で、元に戻す手伝いをするのが基本であり、労働条件への口出しはできない。
  • 労働者と使用者の二者間の問題を、産業保健職が代行して解決しようとしてはならない。特に、本人に代わって上司、同僚、人事に話をするのは問題となる場合がある。
  • 臨床経験のある医療職が産業保健の仕事にそのまま向いているかには疑問符がつく。人の役に立ちたいというモチベーションが、会社の役に立つことではなく従業員の役に立つこと(希望を叶えること)に向かいやすいため。
  • 議論の結論として見えてきた産業保健職の重要な役割:
  • メンタル不調者対応などにおいて、早期に休ませる(療養勧奨)ことが重要な役割の一つとなりうる。
  • 専門知識に基づき、早期療養の重要性や予後について説明し、従業員の休職に対する抵抗感を払拭する手助けをすることが期待される。
  • 日本には休みたがらない、休めない文化があり、休職に対するネガティブな固定観念(退職へのステップなど)が根強い。休職者数、復帰率、再休職率などの透明性のあるデータを社内で提示することが、不安軽減につながる可能性がある。
  • 会社側の役割として:
  • 産業保健職への万能感や幻想を捨て、自社の産業保健活動の役割や枠組みを明確にすることが必要。労働者と会社の二者間で話し合うべき問題を明確にする。
  • 産業保健活動においては、個人のスキルに頼るのではなく、平均的に効果が出せる仕組みを導入することが重要。
  • 会社から指示された通りにまずはやってみて、うまくいかなかった経験から学ぶことも重要である。
  • 本テーマについて産業看護職・保健師の方からの意見交換を歓迎。

(NotebookLMで作成したもので、内容の正確性は保証しません)

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