Japanese Humor

四代目桂文團治から、弟子の桂文紅へ伝わり、現在に至っています。大泥棒の少年時代を描いた講釈は数多くあり、それが落語に移植されたのが「鬼薊」。

東京落語では、「錦の袈裟」という演題で、寄席や落語会で頻繁に上演されますが、上方落語では、珍品の一つに数えられています。

「子ほめ」「時うどん」等と並んで、寄席や落語会で、上演頻度の高いネタです。夜店に行っても、野天の古道具屋を見ることは稀になっただけに、昔の風俗を知るには一番のネタと言えましょう。

恐らく、噺家の上演頻度ナンバーワンの落語でしょう。物語の展開も滑らかで、主人公の可愛らしさが見事に出ているだけに、人気の高いネタであるのも、無理はありません。

中国笑話を数多く集めた『笑府』という書物と、織田信長のお伽衆野間藤六の物語に原話が見られ、「寿限無」「時そば」と並び、昔から広く知られている落語ですが、短編扱いの東京落語に比べ、上方落語では長編大作と…

戦前に刊行された落語の速記本の中で、ヒッソリと眠っていたネタです。恐らく、昔の寄席では、時間が短く、オチも優れている落語が、重宝されたのでしょう。

落語の演題で、外国の国名が使用されているのは、稀です。オチは駄洒落ですが、テンポ良く、トントンと進めると、とても気持ちの良い終わりとなるだけに、駄洒落は馬鹿に出来ません。

目の不自由な方が主人公になっている落語は、「景清」「心眼」等の名作があり、情が深く表現されています。このネタは、酷い展開になっているだけに、好き嫌いが分かれるでしょう。

空家の悲鳴」桂文我戦前に刊行された、怪談ばかりを集めた落語本に、このネタが掲載されていました。

昔は上演されていた落語が今では演じる者が無くなり、滅んだと言われるネタも数多くあります。「そば茶屋」も、その一つ。三代目桂米朝が粗筋を覚えていたのを桂文我が再構成し、上演するようになりました。

初代桂春團治のＳＰレコードで残り、六代目笑福亭松鶴が稀に演じたぐらいで、昨今、全く演じられなくなりました。

明治初期から大正まで、長期間、大阪で人気の高かった、初代桂文我の速記が残っています。駕籠から、人力車に替わったのが、明治十年頃だっただけに、新しさが売りのネタだったのかも知れません。

東京落語では、「禁酒番屋」という演題になり、五代目柳家小さんの名演が知られています。禁酒禁煙と、禁の字の付くことを実行するのは、辛抱が肝心ですが、身体や、周りのためには、仕方がありません。

上方落語で、大阪を離れた町の神社仏閣が舞台になっているネタは少ないのですが、この落語は、三重県津市の観音様の境内が舞台になっています。

東京落語では、「大工調べ」という演題。寄席や落語会で頻繁に上演されていますが、上方落語では、珍品扱いになっています。大抵、前半だけの上演。さて、今回は如何でしょうか？

打飼は、鉄砲の薬莢（やっきょう）入れで、ポーチのような使い方をしていたみたいです。東京落語に移植され、「夏泥」という演題になりました。最近、上演する噺家が増えたネタの一つと言えましょう。

二代目桂（文廼家）文之助が創作したと言われている、仏教落語の一つです。心が迷った時、おみくじ手相顔相字画等で、解決策を見つけたり。易者に自分の運勢は、わからないのでしょうか？

奇想天外なＳＦ落語ですが、ホンワカとした人情も感じられます。演者の少ないネタですが、春の落語として、演題も綺麗だけに、もっと上演者が増えてもいいと思いますが、如何でしょうか？

始末とは倹約のことですが、日本全国で通用する言葉ではありません。経済が冷え込んだ時、このネタの智慧を生かせばよいのではないでしょうか。

東京落語では、「干物箱」という演題で、寄席や落語会では上演頻度の高いネタです。以前は、昭和の名人と言われた八代目桂文楽の名演が光っていました。